Instagramのプロフィールとメールマガジンに同じホームページのURLを載せると、後から訪問者がどのリンクを押したのか区別しにくくなることがあります。そのようなときに、リンクの末尾に参照元の情報を付ける方法がUTMです。
UTMを付けるだけで訪問記録が自動的にできるわけではありません。リンク先のサイトでGA4が正常にデータを収集し、リンクの値がページに渡される必要があります。ここでは、Instagramの通常の投稿活動とメールマガジンを区別するリンクを作り、セッション単位のレポートで確認する方法まで見ていきます。
まず3つの名前を決めます
最初から多くの項目を埋めるより、どこから来たかを示すutm_source、流入の方法を示すutm_medium、どの配信・宣伝活動なのかを区別するutm_campaignから決めます。同じ活動の中でボタンやリンクの位置を区別したければ、utm_contentを追加できます。Google AnalyticsのUTMガイド
以下は、架空の秋のガイドを案内するリンクに使う名前です。実際のキャンペーンを計測した結果ではなく、手順に沿って作ってみるための例です。
| 項目 | Instagramのプロフィール | メールマガジン本文のボタン |
|---|---|---|
utm_source | instagram | newsletter |
utm_medium | social | email |
utm_campaign | autumn_guide_2026 | autumn_guide_2026 |
utm_content | profile_link | main_button |
キャンペーン名を同じにすると、1つのガイドを宣伝した活動としてまとめられ、参照元とメディアでInstagramとメールを分けられます。メールマガジン内の2つのリンクを比べたい場合は、ほかの値を変えずにutm_contentだけをmain_button、text_linkのように変えます。
ただし、Instagram広告までsocialにまとめると、有料の活動を区別しにくくなります。広告には別のメディアの命名ルールを決めてください。GA4のデフォルトチャネルグループは参照元・メディアなどのルールで分類されるため、組織内でしか意味が通じない独自のメディア名が、意図したチャネルに自動分類されるとは限りません。GA4のデフォルトチャネルグループの基準
URLの末尾に付ければリンクが完成します
リンク先のURLがhttps://example.com/guideなら、次のように作れます。以下のURLは、形式を説明するための例示用ドメインです。アクセスしても、自分のGA4で確認できるデモが実行されるわけではありません。実際に使うときは、GA4の収集を確認済みの自分のページのURLに置き換えてください。
Instagramのプロフィール用:
https://example.com/guide?utm_source=instagram&utm_medium=social&utm_campaign=autumn_guide_2026&utm_content=profile_link
メールマガジン本文のボタン用:
https://example.com/guide?utm_source=newsletter&utm_medium=email&utm_campaign=autumn_guide_2026&utm_content=main_button
URLと最初のパラメータの間には?、項目の間には&、名前と値の間には=を使います。すでに?lang=koのようなパラメータがあるURLなら、2つ目の?を付けずに&utm_source=...と続けます。URLに#sectionのようなページ内の位置を示す部分がある場合は、UTMを#の前に入れます。
手作業で付けるのが面倒なら、GoogleのUTMガイドからリンクされているCampaign URL Builderにリンク先のURLと値を入力して作れます。どちらの方法でも、完成したURLを実際に配信するボタンに設定する作業が必要です。文書に正しいリンクを書いていても、メール配信ツールに古いURLが残っていれば、古いURLから流入します。
私は、リンクを作った後に1行ずつ記録しておくことを勧めます。配信日、掲載位置、リンク先のURL、4つのUTM値を残すと、後でレポートに見慣れない名前が出たときに、その出どころを探せます。毎回記憶に頼ってキャンペーン名を入力するより、小さな表を共有して使う方がよいでしょう。
配信前に、リンクの情報が実際に届くかを確認します
作ったURLをすぐに一斉配信せず、リンクを載せる環境で先に確認します。Instagramなら実際に使うプロフィールのリンク欄で、メールマガジンなら自分に送ったテストメールから押してみます。この段階では、購入ではなく、リンク先のページと流入値が渡されるかを確認すれば十分です。
- ほかのサイトでの行動が引き継がれていない、別のブラウザー環境でテストを始めます。分析データの収集に同意が必要なサイトでは、通常の同意手続きに従います。
- リンクを押して、正しいページが開くかを確認します。ログイン・言語切り替え・短縮リンクなどの遷移で、UTM値が消えていないかも確認します。
- テストした時刻、端末・ブラウザー、使ったリンクを記録します。「先ほどテストした」という記憶だけより、レポートと照合しやすくなります。
- 実際の訪問イベントの収集と、キャンペーンの分類を分けて確認します。訪問が表示されたという事実だけで、UTMまで意図どおりに収集されたとは判断しません。
最終的なURLにUTMが見えない場合も、すぐに失敗と判断しないでください。最初のページで値を収集した後、URLを整理するサイトもあるためです。反対に、最終的なURLに値が残っていても、GA4タグが実行されなければ分析データは作られません。レポートでの確認まで行う必要があります。
すでに進行中のセッションで、異なるUTMリンクを続けて押して試すと、結果を理解しにくくなる場合があります。GA4は、新しいキャンペーン値が現れただけでは、新しいセッションを自動的に開始しません。そのため、各リンクが新しい流入として始まる条件を整えてテストし、一般の訪問かどうかと、デベロッパー・内部トラフィックフィルタの適用の有無も区別して記録してください。GA4のキャンペーンとトラフィックソース
GA4ではセッション単位の項目から探します
今回作ったリンクがどのような訪問をもたらしたかを見るには、GA4のトラフィック獲得レポートで「セッションの参照元/メディア」「セッションのキャンペーン」などの項目を確認します。手動タグの値だけを見たい場合は、手動キャンペーンレポートの「セッションの手動参照元/メディア」と関連ディメンションを使えます。レポートの構成や権限によって表示されるメニューが異なる場合があるので、項目名とスコープを基準に探すとよいでしょう。GA4の手動キャンペーンレポート
例のリンクでは、Instagramからの流入であるinstagram / socialと、メールマガジンからの流入であるnewsletter / emailを区別することが、最初の確認目標です。次にautumn_guide_2026キャンペーンに絞ってみます。リンクの位置を分けた場合は、セッションの手動広告コンテンツなど、utm_contentに対応する項目も確認します。GA4の手動タグとディメンションの対応
「ユーザーの最初の参照元/メディア」を開いたまま、今回のメールが正しく計測されていないと判断してはいけません。この項目は、ユーザーを初めて獲得した経路を示します。初回は検索から来て、今回はメールから再訪問したなら、初回流入と今回のセッションの流入が違うのは自然なことです。購入への貢献を見るイベントスコープのレポートも、別に区別します。GA4の流入経路におけるユーザー・セッション・イベントのスコープ
テスト直後に通常のレポートが空でも、同じリンクを何度も押す必要はありません。GA4のレポート処理には時間がかかり、リアルタイムレポートで対応する項目も限られています。まずイベントの収集を確認し、処理後に、記録しておいたテスト期間のレポートを再確認します。GA4のデータ更新頻度
値が分かれたり表示されなかったりするときの確認点
同じInstagramなのにInstagram、instagram、instaが別々に表示されるなら、命名ルールから直します。UTM値では大文字と小文字が区別されます。小文字とアンダースコアを使うと決めたら、配信ツールや担当者が変わっても、そのルールを守る必要があります。ただし、今後のリンクを直すだけで、すでに収集された過去の行が自動的に1つにまとまるとは考えないでください。
値が表示されない場合は、元のリンク、リダイレクト、レポート期間、ディメンションのスコープ、収集状況の順に確認します。Google広告のように自動タグ設定を使う広告リンクは、別途確認が必要です。自動タグと手動UTMをむやみに併用して分類を直そうとせず、既存の連携でどのような情報を送っているかを先に確認してください。
UTMにメールアドレス・電話番号・顧客名を入れて個人を区別することも避けてください。URLは閲覧履歴などに残る場合があり、GA4では個人を特定できる情報をキャンペーンパラメータで送信しないよう案内しています。リンクの目的は配信経路を区別することであり、受信者の身元を示すことではありません。Google Analyticsの個人を特定できる情報の送信防止ガイド
最後に、ホームページのバナーから商品ページへ進む内部リンクには、本記事の外部キャンペーン用UTMをコピーして付けないでください。バナーの位置を比較したければ、内部クリックイベントなど、別の計測方法を決めます。UTMのルール作りで最初に必要なのは、多くのコードではなく、チーム内で同じ意味で使ういくつかの名前と、配信後の確認です。
